健康

今回は、常備しておくと便利な漢方薬をご紹介します Vol.13

"早めに漢方" もっと元気になりましょう!
最初に、漢方を飲み、効果を出すためには、『 証 』 にあった薬を飲むことが大切です。
『 証 』 は、専門家に診てもらうのが一番ですが、自分でもおおまかなチェックはできますので、
わかる範囲で調べてみませんか?

チェック数の多い方が、その 『 証 』 に近いといえます。

『実証』の人の特徴
  • 筋肉質
  • 胃が丈夫
  • 血行良好
  • 疲れにくい
  • 声が太い・大きい
  • 便が硬い
  • 便秘しやすく、便秘をすると1日でもつらい
  • 尿の色は濃く、回数は少ない
  • 月経は順調で量も多い
  • 暑がりで汗をかきやすい
  • 風邪はひきにくく、ひくと高熱が出る
『虚証』の人の特徴
  • やせ型で下垂体質
  • 血色不良で肌が荒れやすく、がさつく
  • 疲れやすい
  • 声が細い
  • 軟便傾向
  • 便秘をするとコロコロ便になり、便秘しても4・5日は平気
  • 胃腸が弱い
  • 尿の色は薄く、回数は多い
  • 夏バテしやすく、冬の寒さに弱い
  • 風邪をひきやすく、治りにくい

 

次に、1回または数回で効果があり、あまり『証』にとらわれない漢方薬をいくつか選びました。
常備しておくと便利です。

☆ 風邪のひきはじめに ☆

葛根湯(実証の人)

悪寒・のどの痛み・肩こり・頭痛・鼻炎・歯痛など
これは、風邪だけではなく、肩から上の炎症に効く薬です。
ただ、慢性化しているものより、急性の症状に効果があります。

桂枝湯(虚証の人)

頭痛・発熱・悪寒・のぼせなど。
慢性的な場合もつかえます。

 
☆ のどの痛みに ☆

桔梗湯(実証・虚証の人)

のどの炎症・扁桃炎・しゃべりすぎの声がれにも。
のどにゆっくりしみこませるように飲んでください。

 
☆ 痛みに ☆

芍薬甘草湯(実証・虚証の人)

筋肉痛・関節痛・月経痛・腹痛など。
急激なけいれん性の痛みに効果があります。
頓服として服用することも多いです。

 
☆ できものに ☆

排膿散及湯(実証・虚証の人)

化膿性の腫れ物、にきび、おでき・歯茎の腫れなど。
化膿して、赤くはれているもの。

 

これらは、漢方のほんの少しです。漢方の得意分野はまだまだあります。
ただ、いくら漢方が素晴らしいといっても、感染症や緊急の病気・けがには、
西洋薬で対応してください。
"漢方が好き、全て漢方で"と考えるのではなく、柔軟に考えてくださいね♪(゚▽^*)ノ⌒☆

更年期 Vol.12

先日のこと。友だちが、「急にほてったり、ドキドキするの」と言うので、
「更年期じゃないの?」と、冗談を言って笑っていたのですが、よく考えると40歳。笑える年齢ではないんです。
しかも、最近は30歳代からの、プレ更年期というのもあります。
日本女性の卵巣平均寿命は50歳前後といわれています。それを”閉経“といい、その前後10年を"更年期"とよびます。
これは、卵巣から出される女性ホルモンが徐々に減っていく時期になります。
女性ホルモンの低下によって、のぼせ・いらいら・動悸など、諸症状が起こります。
更年期は人それぞれ。外に出るのもつらいという人もいれば、まったく不調を感じない人もいます。
ただ、更年期がこない女性はいません。
そこで、更年期を迎えたときの自分のタイプは? ちょっと気になりますよね?!
漢方的な体質チェックを紹介します。 (漢方養生法~オレンジページムックより抜粋)
チェックの多いものがあなたのタイプになります。また、基礎体温をつけることをおすすめします。
これは、卵巣の老化をしる上での目安になってきます。
乱れのある人は、早めケアと対策をしていきましょう。

更年期障害チェックリスト

A いらいらするタイプ

「気」のめぐりを整える生活で、ストレスを解消して。
とにかくリラックス。頑張りすぎないことが大切です。ゆとりを持って生活していきましょう。
自分の時間も大切に。 香りのよいものを食事に取り入れて。
NG! 辛味は避ける。無理な挑戦はしない。

B くよくよするタイプ

放っておくと更年期が重くなりがち。睡眠や食事に気をつけて。
特に、精神的な症状が悪化することが多く、人によってはうつ病や神経症に発展してしまうことも。
不眠は、大敵。寝る一時間前は、音楽を聴いたり、お風呂に入ったりして気持ちをリラックスさせましょう。
漢方では、「血」が不足しているととらえます。
血を補う食べ物、例えばレバーや赤みの肉・青魚・色の濃い野菜などをバランスよく。
NG! 家にこもらない。寝る前に色々考えすぎない。夜更かしはしない。

C 生活習慣病になりやすいタイプ

「血」のめぐりが悪いことが原因に。今日から生活習慣の改善を。
適度な運動で、血行をよくします。腰を回す、足を上げるといった、特に下半身中心の体操を。
お風呂は半身浴がおすすめです。下半身を温めて。
食事は油っこいものを避け、和食中心にあっさりとしたものを。
お酒は少量なら血のめぐりを良くしますが、過ぎると流れを滞らせるので注意。
NG! ストレス。下半身を冷やす。

D ほてるタイプ

うるおい不足を解消して老化を防ぐ。年齢を重ねてもほっそりとした体型をしていて、
たくさん食べるのに太らないという人に多いタイプです。
体に必要な水分が不足しているので、肌・髪は乾燥しがち。皮膚にかゆみを感じることも。
みずみずしい野菜や果物でうるおい補給を。また、熱をさます作用のある海藻類も取り入れて。
お風呂はぬるま湯で、上がった後は、ぬるめのお茶で水分補給を。
NG! 汗のかきすぎは、体のうるおい不足に拍車をかけます。
スポーツをするなら、水泳や有酸素運動など汗をかきすぎないものを選んで。辛いものや強いお酒は避ける。

E 冷えるタイプ

生活の中から冷えを追い出し、抵抗力を高める。冷たいものを食べ過ぎない。
温野菜など、必ず火を通したものを食べて。香辛料など体を温めるスパイスや薬味を取り入れて。
とにかく冷やさないことを徹底しましょう。お風呂はやや熱めの湯で。
抵抗力が弱いので、風邪をひきやすくこじらせてしまいがち。風邪をひいたかな?と思ったら、早めの対策を。
NG! 薄着やサンダルは避ける。冷えが体に入りやすいポイント、首・肩・おなか・腰・ひざ・足首などはしっかり
カバーして。果物や生野菜はなるべく避ける。

疲労感・倦怠感 Vol.11

体がだるい・なかなか疲れがとれない・すぐに風邪をひく・・・など。
特に一月は、昨年の忙しさから、こういう人が増える傾向があります。
このような症状を漢方では、『 気 』 が不足しているととらえます。
今回は、『 気 』 についてお話します。

『 気 』=生命エネルギー。目には見えませんが、生命活動・精神活動をいい、
「気」が少なくなると、エネルギー不足になり、疲れやだるさを感じるようになります。
「気」がやまいになることを「病気」、気が減った状態から、元に戻すことを「元気」、
気の力を「気力」など、気を使った言葉はたくさん使われています。
ですから、治療には「気」を増す薬がいいというわけです。

「気」には2種類あって、「生まれ持った気(先天の気)」と 
「自分で獲得できる気(後天の気)」があります。
先天の気は、成長・発育・生殖をつかさどっていて、不足すると発育が遅れたり、
老化が早まったりします。例えば、年齢とともにパワーが落ちるのはこのためです。
 一方、後天の気は、食べ物や呼吸によって取り入れることができます。
すごく丈夫な人が、“昔は未熟児だったのよ” と言われて驚かされることがあります。
未熟児=先天の気が弱いことを、両親や周りの人がいろんな物を食べさせ=後天の気でカバーし、
より健康・丈夫になるというのは、よくあることです。
ただ、胃腸の機能が弱っていると、十分な栄養を送っていても消化吸収できません。
後天の気を高めるには、胃腸の機能を高める必要があります。

植物でも、根がしっかりはっていないと、肥料を与え大事にしても育ちません。
根っこ=胃(脾)は、すべての土台なのです。
漢方での治療は、先天の気より、後天の気を増やすことを主にすることが多くなります。

例えば、胃(脾)に力をつけるには、“ 人参 ・ 黄耆 ” が入った漢方薬、
補中益気湯・人参養栄湯・十全大補湯があります。(補剤)
胃(脾)が弱っている人には、お腹を建てる漢方、建中湯類 (小建中湯・黄耆建中湯)。
老化による衰えには、補腎剤が使われます。八味地黄丸は、その代表選手です。
簡単に紹介しましたが、便秘のひどい人が補剤を飲むと、より便秘がひどくなることもあります。
また、胃腸の弱い人には地黄の入った漢方は合いません。
ですから、自分で判断するのではなく、必ず相談をしてからはじめてください。

日常生活では、「気」を消耗するような不規則なライフスタイル・過度のストレスには注意しましょう。
また、疲れがたまると甘い物が食べたくなりませんか?甘さをとることはいいのですが、
砂糖系の甘さは胃の働きを弱めると言われています。食材のもつ甘さをとるように心がけましょう。
食材としては、黄色の食べ物、かぼちゃ・人参・栗・ご飯などがあります。
砂糖のかわりにハチミツもいいです。
参考にしてください。